賢いエアコンの選び方…カタログの見方     

・市内のある家電量販店にて
 ある日、クニオさんはエアコンコーナーにて熱心にエアコンカタログを眺めています。
店員
”いらっしゃいませ、エアコンをお探しですか”
クニオ
”ええ”
店員
”お使いになる部屋は何畳ぐらいですか?”
クニオ
”10畳です”
店員
”だと、こちらがお勧めです”
 と言って10畳用のエアコンを手に取る。

クニオ ”エアコンを買い求めてお店に行くとこんな会話になりますね”
ヨシコ
”えーえー 確かにそう言う会話になるわね”

・畳数が目安となる根拠は  ?
クニオ
”だけど店員に「10畳の根拠は?」と問うても答えられません!”
ヨシコ
”販売のプロなら答えられるでしょう”
クニオ
”無理です、さらに驚くことに、昭和39年(1964年)に畳で目安が決められてから一度も変わってないんです”
ヨシコ
”………”
クニオ
”しかも当時に比べて、住まいの断熱性能は格段に上がっているのにです   ”
ヨシコ
”住宅の断熱性能などから計算しているのではないの?”
クニオ
”そう思うでしょう? 確かにエアコンの選定には断熱性能などの4要素を考慮しなければいけません”
ヨシコ
”4要素とは?”
クニオ
”ご自宅の断熱性能、気密性、日射取得、内部発熱の四つです、でもさすがに、この要素をもとに計算して求めるとなると、ショップの店員にはハードル高すぎますよね”
ヨシコ
”なるほど確かに、ハードル高すぎる気がします!…でも、そんなに不確定要素が多いのに、畳数だけが選定の目安なんておかしくないですか?”
クニオ
”そうですね、でも実際、建築士さえこのこと理解してませんから、約50年そのままってのも、ある意味わかりますよね”

・通年エネルギー消費効率(AFP)と暖房低温能力
クニオ
”前置きはこのぐらいにして、カタログを見ていきましょう”


ヨシコ
”やっと本題ね”
”図のカタログ中段を見てください、左から「期間消費電力量」「目標年度2010年」「省エネ基準達成率」「通年エネルギー消費効率」がありますね”
ヨシコ
”はい、なかなかいかめしくて、めんどくさそうな表示ですね!”
クニオ
”これらは、東京に立地する住宅をモデルとして一定の条件のもとに、
 ・冷房は6月2日〜9月21日を設定温度(室温)27℃、
 ・暖房が10月28日から4月14日まで設定温度20℃(室温)、外気温7℃
  で運転した場合の効率や消費量を言っています”
ヨシコ
”冷房期間で3.6カ月、暖房期間で5.5カ月間か…でも暖房の20℃設定って低くない?”
クニオ
”ですね、でもそこはあまり気にしなくていいです、注目してほしいのは通年エネルギー消費効率(AFP)です”
ヨシコ
”通年エネルギー消費効率(AFP)ね、7.1とあるはね”
クニオ
”ええ、AFPは、上記期間の外気温度や暖冷房負荷を考慮した効率を示しています、数字が大きい程、高効率で省エネ性能が高いんです”
ヨシコ
”7.1って高性能なんだ”
クニオ
”はい、続いて最下段の暖房低温能力に注目してください”
ヨシコ
”暖房低温能力(外気温2℃時)4.7kwとありますね”
クニオ
”暖房低温能力は外気温2℃/室温20℃時、最大4.7kwの熱量で運転できることを表します”
ヨシコ
”そういえば、エアコンは一般的に、設定温度が同じでも、外気温が低いと能力が下がる特徴があるってこと聞いたことあるけど、関係します?”
クニオ
”そうです、そうです、外気温が5℃以下になるとガクッと能力が落ちます、そこでこの暖房低温能力が表示されているです、この場合数値が大きいほど、外気温が低い状態でも暖房能力が高いと判断できるんです”
ヨシコ
”ということは、寒冷地なんかには必須の項目ね!”
クニオ
”(*′ω`)b゛ок!!”

・定格能力と消費電力…
クニオ
”では続いて、「能力」と「消費電力」を見てみましょう”


”「能力」はそのエアコンが投入できる暖房、冷房の標準的な時間当たりの熱量のことです、カタログでは、暖房時で2.8kwとなっています、この2.8kwは定格能力と呼ばれています”
ヨシコ
”カッコ内の0.3〜6.2は何!”
クニオ
”エアコンは負荷に応じて変動しながら動きます、6.2kwは暖房能力の最大値です”
ヨシコ
”じゃー最小値が0.3kwってことね!”
クニオ
”はい 次に消費電力を見ると515wですね、これは定格能力の2.8kwの熱量が515wの消費電力で賄えることを表しています”
ヨシコ
”つまり、8畳用には暖房で2.8kw、冷房には2.5KW が必要です、さらにこのエアコンは暖房時、消費電力の5.4倍の熱量をもたらすことができるってことですか?”
クニオ
”そのとうり”
ヨシコ
”エアコンって効率の良い働き方をするのね”
クニオ
”正しく選べばね!”
ヨシコ
”賢いエアコンの選び方は次回にしましょう!”


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