「時の寿木組みの家」は普遍的デザインでつくるⅢ:環境
「人にとってふさわしい住まい」が纏うべき具体的なデザインの2項目、環境についてお話をしたいと思います
■環境に配慮しているか。
日本の木造建築は約1300年の歳月を耐え、千年家と呼ばれる民家や100年を超える佇まいの民家を各地に残しています。
振り返って現代の住まいを見ると、なんと短い寿命なんだろうということに気づきます、たった30年程度で解体されてしまいます。
この寿命の短さは、資源や資材の浪費となり環境に大きな負荷をもたらしています。
環境を損なうことなく家づくりを進めようとするとき、二つの課題に直面します、「ゴミ=産業廃棄物」と「エネルギー消費」です。
この課題に対して、材料調達→建設→運用(暮らし)→解体のプロセスで「ゴミ=産業廃棄物」を出さない、エネルギー消費の小さいつくり方(材料の選択・構法)が求められます。
つくり方は単に技術の問題ではなく、技術観・建築観(思想)や美的感覚もが関わる懐深い問題であるはずです。
例えば
新しい時やモノが価値のピークで、時間がたつと徐々に下がると思う美意識か、時間と共に価値を増していく、或いは、時間と共に変化する様(エイジング)を味わいと捉えるか。
どちらかの美意識が選択されるかにより、つくり方も環境対応も変わりますが、前者はすでに消費期限切れと言えるでしょう。
「人にとってふさわしい住まい」は、
・「ゴミ=産業廃棄物」を未来に負の遺産として先送りしない。
・エネルギー消費量の小さい材料と構法*1)でつくる。
上記の姿勢で環境と向き合いたいと考えます。
*1)石油由来の建材は極力使用せず、住まいをゴミにしない構法
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