時の寿木組みの家」は普遍的デザインでつくるⅥ:つくり手に愛があるか  

 ここで「つくり手」とは、家づくりで実際の作業をする人々のこと、最近は施工者と呼び、少し前までは職人と呼ばれていました。

 早速、クニオさんとヨシコさんの登場です、二人の会話に耳を傾けてみましょう!

ヨシコ
”「つくり手に愛があるか」って、家づくりに愛とか恋とか、恋愛じゃないんだからおかしくない?”

クニオ
”もちろん、住まいは恋愛の対象とはならないと思うけど、ただ、つくり手も愛情を胸に抱いて仕事してるんだと思うだな。”
 ”つくり手は、長年かけて体と心で技術を磨き上げてくるわだけど、それって「材料を吟味し、材料の特性を把握して活かし、工夫して最良の方法で仕上げる」を発揮して初めて喜びとなるんだと思うんだ。”

ヨシコ
 ”手塩に掛けるっていうことかな、子供に愛情をたっぷり注ぎ育てることを手塩に掛けるっていうね、それと同じ感覚かもしれないね。”

クニオ
 ”手塩にかけるって良い表現だな、本当のつくり手は、向かう仕事には自分の技術と技量を十二分に発揮し→仕事を大切に→手塩にかけ→愛情を注ぎ、住まい手に喜んでもらいたいと思っているのさ。”

ヨシコ
 ”なるほどね、「つくり手に愛がある」と言うことは分かったけど、でも、もう少し具体的に説明してほしいんだけど。”

クニオ
”了解”
”家づくりでは、「時間がかかる」「手間がかかる」「効率が悪い」ってネガティブな感覚で語られるよね。”

ヨシコ
”そうね!”

クニオ
 ”でも、これって短サイクル、短い賞味期限をあえてつくるモノの大量消費型社会の基準であって、「私たちとってふさわしい住まい」の姿である、長く使えて、環境にやさしとは相いれないことだと思うんだ。”
 

”例えば

「時間がかかる」のではなく、じっくりと「時間をかけ、楽しいい入念な仕事をしたい」
     「手間がかかる」のではなく、真摯に丁寧に「手間をかけ、ごまかしのない仕事をしたい」
     「効率が悪い」のではなく、できるだ長く「労力を掛け、納得のいく仕事をしたい」

ということなんだ。”


 ”「時間をかける」「手間をかける」「労力をかける」がつくり手の愛情三原則と言えるね。”
 ヨシコ
 ”仕事を大切にしてるって姿勢が伝わってくるね。”

クニオ
 ”「私たちとってふさわしい住まい」には、つくり手の愛が必要だということさ。”

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