土への回帰

かつては建築材料の最もポピュラーな材料だった「土への回帰」を叫んでみたい。

 土は世界で最も手軽に手に入る建設材料、その工法は気候風土や文化的背景により多種多様で、世界の建造物の中で土の建築は3割程度を占めるといわれています。
 焼けば土器や煉瓦となるし、天日にさらせば日干し煉瓦となり、現在でも広く世界各地で建材として活用されています。
 さらに土は、自然素材で役割を終えても環境に負荷を与えません、まさに土に還るのです。
 日本では、その土を建築材料として利用したときから左官が始まりました。

 吉田兼好が「住まいは夏を旨とすべし」と述べたように、一時期、土壁は衰退し木と茅の家が主流となります。
 しかし、戦国の戦乱と薪から炭へと燃料の変化が、土を再び世に送り出しました、防火性と蓄熱性能に優れた土壁が見直されたのです。
 さらに茶の湯の「市中の山居」という現実から隔絶された別世界では、かつての土室がお手本となり、土壁の草案茶室が完成し、その後の民家建築のスタンダードとなりました。

土の質感をモロに感じ取れる版築の壁

 僕たちが土に対峙したとき、意識に深く訴える力、エネルギーを感じる事があります、その心地よいリズムは、戦乱の世の武将たちに、ひと時の心の安寧をもたらしたのかもしれません。

紅葉をあしらった色土の壁と日干し煉瓦の炉壁

 土の表現は多様にして無限です、そんな土の魅了を通じて、住まいに「土への回帰」を叫びたい。
 新築したM事務所では「土への回帰」が重要なテーマでした、是非その魅力を感じ取っていただけれがと思います

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