エイジングを味わう 「さび」
日本の美意識に「わび」「さび」がある、「さび」の原義は三つにまとめられる。
”「一つ目は「殺風景になる」「さびれる」、二つ目は「年を経て古びる」、三つめは「そのものらしい様子や状態を示す。」”…日本美を哲学する 田中久文 青土社
「わび」「さび」の美的概念論をここで述べる知識も根性もないので、結論だけ拾い出します。
”「年を経て古びる」は「宿」「老」「古」という漢字が当てられ、「時間の集積」と言い換えていて、これが美的な感覚を喚起されるためには、観察者の精神的価値が問われ、自己の精神を投影することによってのみ喚起される…「時間の集積」は人間の精神のうちにのみ存在する、だから美的な喚起は、自己の精神を投影することによってのみ生じる。”…日本美を哲学する 田中久文 青土社
要は観察者も、年を経て古びるたモノや風景の発する、か細い気韻生動を捉える知識や経験の蓄積が必要だと言っているようだ。
若々しいと、発する気韻生動のエネルギーや生命感が強いので、知識や経験の蓄積が少なくても美的感動を得られやすいと言うことだろう。
一方、「さび」を俳諧の基本的理念とした芭蕉はこのように述べている。
「句はさびたるをよしとす、さび過ぎたるは骸骨を見るが如し」古ければ何でいいわけでない。
この句を自戒としたい。
画像は外壁赤杉羽目板の経年変化の様子、この経年変化を美しい、味わい深いと感じるか!骸骨と感じるか?
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