「気候風土型」という住まい その五 すり合わせ型・ローテク系
ヨシコ
“「気候風土型住宅」に特徴づけられる五の要素について伺いましょうか”
クニオ
“その前に、現代の家づくりの特徴って何だと思いますか”
ヨシコ
“そうね、組み合わせるっていうのかな、ハイテクで品質が一定の建材を組み合わせて作るから、短時間に完成する……かな?”
クニオ
“そうですね、マニュアルどうり施工すれば完成後の品質はバラつかないで、保証されていますよね、一方、組み合わせ型技術はクローズされています”
ヨシコ
“クローズ ?”
クニオ
“構成部品・要素の規格がその会社専用って意味ね、他社では手を出せない”
ヨシコ
“顧客の囲い込みができるってことかしら?”
クニオ
“そういう事……一方、「気候風土型住宅」は「すり合わせ型」と言えるんじゃないかな”
ヨシコ
“すり合わせ型 ?”
クニオ
“言葉や文章では言い表せないノウハウが必要な技術の組み合わせってことです、でもオープンだから、やる気があれば誰でも習得できる”
ヨシコ
“なるほど ……オープンでローテクってことか”
クニオ“
“そうです ”
ヨシコ
“「組み合わせ型・ハイテク技術系」は壊れたら直せない修理できない……壊すか捨てるか …… 全然持続的ではない”
クニオ
“「すり合わせ型・ローテク系」はどうだろう、ローテクでオープンであるがゆえに、直しやすい、修理し易い、しかも近所の大工や左官でできる”
ヨシコ
“近い将来にはこの「すり合わせ型・ローテク系」が、左官の仕上げのように、深遠で幽玄なモノづくりの主流として復活するかもしれないね”
クニオ
“深遠で幽玄は大げさだね ( ̄◇ ̄;)”
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