「時の寿木組みの家」は普遍的デザインでつくる。
僕と仲間たち(掛川の風景を創る会)は、理想とする住まいのあるべき姿として時ノ寿木組みの家と云う住まいを提案しています。
「僕らの提案する住まい「時の寿木組みの家」は森林再生が出発点」で示した以下の理念について具体的に述べていきましょう。
1) 普遍的(オーセンティシティ)なデザインでつくる。
2) 「時ノ寿木組の家」は環境負荷の低い材料・構法でつくります。
3)「時ノ寿木組の家」は長寿命な住まいを目指します。
4)「時ノ寿木組の家」はフェアに協働し同じ目標を目指します。
5)「時ノ寿木組の家」は愛着ある風景をつくります。
まず最初は「普遍的(オーセンティシティ)なデザインでつくる」です。
普遍的(オーセンティシティ)には、本物、信頼のおける、偽りのないなどの意味がありますが、僕たちは「人にとってふさわしい住まい」と訳しました。
そして「人にとってふさわしい住まい」が纏うべき具体的なデザインは下記の6項目いまとめました。
・環境に配慮していること。
・安全であること。
・健康的であること。
・修理して使い続けられること、その体制があること。
・つくり手に愛があること。
・デザインが美しいこと。
上記の6項目について順次説明をして行きたいと思いますが、その前に「普遍的(オーセンティシティー)なデザインでつくる」を「人にとってふさわしい住まい」と訳した意図について説明します。
少し長い話となりますので、お時間の無い方は読み飛ばしてください。
・居住権=「人にとってふさわしい住まい」
「人にとってふさわしい住まい」という、この住まいの本質への問いかけは、基本的人権や民主主義のように、人々にとって普遍的な理念の一つに相当すると思います。
1996年に「人にとって居住することは人権なのか?」という課題を議論する国際会議(国連人間居住会議)がトルコのイスタンブールで開催されました。
「20世紀末、世界各国ではスラムやホームレスが急増し、経済格差が拡大しました、この経済と人の対立が高まる中での会議で、激しい議論となったのは「そもそも、居住権という権利は存在するのか?」ということだった」*1)
激しい議論の末、国連は「居住権」はあると宣言して具体的な行動指針が採択されました。
その採択されたイスタンブール宣言では、「人間にふさわしい住まいは、命の安全、健康、福祉、教育や本当の豊かさ、人間としての尊厳を守る基礎であり、安心して生きる社会の基礎である」*2)
とされ、日本もそれに調印しました。
ここで示されたことは、人は安心・安全に居住する権利を有していること、そしてその結果、人間社会の生存基盤の強化を図ることができるという宣言でした。
・住まいの供給を市場経済に委ねたことに対する違和感
そもそもあなたにとって、住むという行為をどんなふうに考えていますか。
その回答のヒントとして、日本の住まいを供給する仕組みを考えてみます。
日本の場合、住まいは市場経済に委ね、短サイクルで住まい(商品扱い)を陳腐化させて寿命を終わらせるという経済行為に終始していました。
でも本来はイスタンブール宣言にあるように、供給側は、一種のスクリーニング(環境・健康・愛・循環・街並み風景等)を掛けて、安心安全の住まいを供給する努力をすべきだったはずです。
住まいを市場の原理に委ねたことに違和感を覚えませんか?
一体、誰のための住まいか、何のための住まいかについて熟慮したとき、その答えは「人にとってふさわしい住まい」にありました。
*1)出典: 住宅喪失 島本慈子 ちくま書房
*2)出典: 稲葉剛公式サイト
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