「掛川産材を地場産業にする」
……どうしたんだろう、クニオはぶつぶつ言いながら考え込んでいる。
クニオの心の内に分け入ってみよう、耳を凝らすと ……
「日本各地の木の産地に大津波がやってくる!」とつぶやいているようだ
ヨシコ
“「大津波がやってくる!」 はー? 何のこと!”
クニオ
“ヨシコさん、まじに、木の産地に大津波がやってくる!と心配しているんだ、虚言でも僕が狂ったわけでもありませんよ”
ヨシコ
“別に謝らなくてもいいだけどね ううーン どういう事?”
……山地に津波なんて、あり得ないことですから、驚きますよね
クニオ
“あり得ない現象を表現した方がインパクトが強く耳目を集めるかなっと思ってね!”
ヨシコ
“まーそうですけど でもどういう事?”
……話は地球の気候変動の話題から …… ちょっと耳を傾けてみましょう。
クニオ
“地球の気候変動に対する危機感から、CO2削減が喫緊の課題となっていることはご案内の通りですよね 例えばカーボンニュートラルね”
ヨシコ
“ええそうね、国連環境計画ではこの10年が勝負で、CO2の排出量をプラスマイナスで実質ゼロにしなければならないなんて言ってるわよ”
クニオ
“そうだよね、この喫緊の課題は建築においても例外ではなくて ……カーボンニュートラルを目標に掲げるならば木は最適の建築資材だよね……だから「木材」それも国内産材を大いに活用しようという波が、それも、どんどんと波は日増しに威力を増しているんだ!”
ヨシコ
“森林再生の取り組んでいるクニオさん達にとっては、願ったり叶ったりでは!”
クニオ
“もちろんそうなんだけどね 確かに、今まで木造として見向きもされなかった規模・用途の建築物(中大規模と呼ばれる非住宅建築物(*1))の木造化、木質化が進めば、国内産材の販路は拡大するんだけど”
ヨシコ
“何か浮かない顔をしてるはね! 喜ばしいんじゃないの?”
クニオ
“実は、建築物の木造化や木質化の推進はCO2だけでなく、今まで「木」の活用を妨げてきた火災に対する木造防耐火、耐震性の幅を広げる木質材料や工法が確立された結果であり、地道な研究の成果でもあるんですね”
ヨシコ
“地道にコツコツ! それは素晴らしいわね、積小偉大の結実ね”
クニオ
“そうなんだけど、そこに大津波となる原因が潜んでいるんです”
……前置きが長くなりました、国産材の活用拡大が、なぜ「日本各地の木の産地に大津波がやってくる!」となるのか、 さて、クニオの心の内が徐々に明らかにされます。
クニオ
“えーと、中大規模の建築物の木造化を可能にしている木質材料、工法をCLTパネル、CLTパネル工法と呼んでいます”
ヨシコ
“CLTパネル? ようわからんけど、話進めてください”
クニオ
“CLTパネルって、中低質木材を大量活用する点は利点だけど、生産設備に多大な投資が必要なので掛川市域での生産が困難なんだ”
ヨシコ
“工場つくればいいじゃない、波がやってくるんだから”
クニオ
“えーと、多大な投資が必要な点を考慮すれば現実的でないよね、それにねCLT需要が増大すればするほど、パネルの素材となるラミネ(挽板)の仕入れが安く抑えられる可能性が高く、結果的に、山の木の価格も低くなってしまう”
ヨシコ
“商売の力関係からすると、完成品に近いところの方が価格決定権を握っているってことね”
クニオ
“そうなんだよ …… 結局、素材(木)生産は拡大しても、川上・川中の事業者は利益を上げることが困難となるじゃないかな、当然、山への富の還元は、今以上に難しくなると危惧しています”
ヨシコ
“それで「日本各地の木の産地に大津波がやってくる!」って危惧してるのね”
クニオ
“木材産地が豊かになるためには、木材需要の拡大だけでなく、川上つまり山を支える人々に富が還元されて、持続的に山に関われる環境がつくられなければならないってことだと思うよ”
ヨシコ
“ 富の還元 持続的に山に関われる環境 などなど か!”
…………………… ブレイクタイム ……………………
さて、「掛川産材を地場産業にする」の起承転結の起承まで話は進みました。
話が長くなってしまったので、ブレイクタイムを取ります、転結は次回としますね。
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