せがいの家
せがいの家
住まい手は、リタイヤ後の暮らしを、故郷で過ごそうと終の住処を計画し、そのお手伝いをさせていただくことになりました。
東京では叶えられなかった「日当たり」、「通風」、「薪ストーブ」、「庭」のある生活を希望していました。
敷地はたんぼと住宅が混在する立地でありながら、幸いにも敷地南側は周囲より約2mほど高く、日当たり、通風を得るには絶好のロケーション。
北からアプローチし、南側には最大限の庭をとり、庭→土間→吹き抜けのある居間→キッチンと配置して風の抜けるプランと、居間の吹き抜けの高窓による立体的なルートにより通風を確保しました。
日当たりと明るさは、土間と吹き抜け上部のオープンな書斎を通じて、十二分に得ることができます。
ただし日当たり(日射)はオーバーヒートするほどの可能性が高く、日射遮蔽は課題でした。
「せがい」は、日射遮蔽、架構や組手の技術を可視化し意匠として表現できる、ファサードに陰影を付け深みを与える、印象的なデザインを表現できることなど、用即美やパッシブデザイン上でも優れた構法だと思い採り入れました。
「時ノ寿木組みの家」はあなたが主役の家づくりを提唱しています。今回は住まい手が三和土の土間と荒壁塗り、塗装に参加し、記憶に残る家づくりになったのではないでしょうか。
●建設地 菊川市
●構造・規模 木造2階建て 104.76m2(31.7坪)
●施工 ○大工:(有)小坂建築
○左官:(株)松本工業
○板金:(株)中山板金工業所
○住設:TOKAI
○製材:山田製材(株)
○構造材:(株)スンエン
○電気設備:株)田嶋電気工業所
○給排水衛生:(株)浅岡工業
○防蟻処理:(ヒバ油+木酢液)オリジンコーポレーション
●主な仕上げ
○外部 外壁:土壁下地リシン掻き落とし、
焼きスギ羽目板
ガルバリュウム鋼板小波
屋根:ガルバリュウム鋼板縦ハゼ葺き
○内部 床:三和土(蓄熱床)、桧板張り、杉板張り
壁:漆喰、色土糊捏ね撫で切り、珪藻土クロス
天井:杉板本実小屋組表し
●温熱性能
熱損失係数(Q値)2.67W/m2K<2.70 OK 夏期日射取得係数 0.05<0.08 OK
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●木工事費 約6,000,000円 ●左官工事費 約1,900,000円
木材コーディネーターによりコーディネートされた構造材費 約2,300.000円
●総工事費 約22,000.000~25.000,000円(地盤改良費、外構費は含まず)
●設計監理料 2,100,000~2,300,000円
住まい手感想
リタイヤを契機に、故郷に帰ろうと考えていました。
敷地は故郷とは少し離れていましたが、生まれ育った田舎の光景を思い出させる風景も気に入り、第二の家づくりをスタートさせました。
東京ではマンション暮らしだったため、庭のある暮らしをしたいと考えていました。
庭とのつながりや薪ストーブにあこがれていたこともあって、土間のある、それから通風や日当たりを最優先に、コンパクトな暮らしを希望しました。
土間のある居間は、通風、日当たりもよく、一番好きな場所ですね。
2階の書斎コーナーは、窓からの眺望も素晴らしく、使い勝手も良く、吹き抜けのあるオープンなスペースで気に入っています。
薦められた土壁や三和土の土間は、断熱効果も良く、梅雨時でも室内の空気がカラットしているし、真夏に外出先から帰宅しても、むっとする熱気もなく、汗ばんだ肌でも不快感がありませんね。
マンション暮らしでは結露に悩まされたが、ここでは窓ガラスの結露もありません。
桧の床は、フローリングのような冷たさがなく、少しオーバーですが、真冬でも素足で生活できるって感じです。
(追記)
さすがに最近の夏の暑さは耐えがたいようで、2018年にエアコンを設置したそうです。
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