土を使ったリフォーム

土を使ったリフォーム

”キッチン・食堂・居間が寒くて暑く、食事が終わるとみんな自室に引きこもってしまう、暖かく風の通りを良い空間にしたい。”という要望を受けて改修計画がスタートしました。


■現況調査

住まいは中廊下を挟み、南側に和室や寝室、北側は水回り、さらに居間とDKも北側と典型的な中廊下型住宅。

中廊下は暗く、冬はさぞ寒いだろうと想像させるつくりでした。

温熱環境を調査をした結果、断熱性能は外壁廻りのみ住宅用10kgGW厚50の断熱材(最低基準)、床にも天井も断熱材は無し、開口部はアルミサッシ+単板ガラスという状況。

だから、夏は太陽光のダイレクトゲインで室内はオーバーヒートし、冬は日当たりは良くても、住宅の断熱性能が低いので、日が落ちると一気に冷え込む。中廊下型なので通風も限定的という典型的な温熱環境無頓着住宅状態でした。

■ どんな温熱環境と快適性を目指すか?

方向としては、住まい手の生活スタイルに習いパッシブな生活を楽しむ、そこそこ快適・そこそこ我慢の「足を知る」温熱環境と通風が確保できるプランを提案しました。

既存住宅の西側の部屋を隔てていた、中廊下や壁を撤去して二部屋を一室に改修し、南から、緑の庭→土間→居間→DK→北窓と連続させて日当たりと日射と通風を確保。

南側の庭には下屋を設けて日射によるオーバーヒートに対処し、土間に薪ストーブを設置して、夏でも冬でも視線は南に向かうようプランしました。

「足を知る」温熱環境として、夏は日射遮蔽と通風、冬は日射取得熱を土間と土壁に蓄熱する、薪ストーブで採暖し土壁に蓄熱するパッシブな環境を整え、通風や蓄熱の効果を高めるため断熱性能の向上を図りました。

UA値(外皮平均熱貫流率)
2.6W/m2K→→0.95W/m2K

ηA値(冷房期の平均熱日射取得率)
6.9%→→1.8%

一次エネルギー消費量
79.7Mj (基準値98.8Mj)
※上記数値は左側が既存  右側がリフォーム後

UA値の基準値=0.86以下  ηA値の基準値=2.8以下

耐震性に関しては、既存住宅全体のリフォームはでなく、1/3程度だったが、バランスを図りながら耐震性の向上を図った結果かなり向上した。

評点(Pd/Qr)
X方向:0.53(既存)→0.99
Y方向:0.85(既存)→1.28と向上

●建設地 掛川市逆川地内

●構造・規模 木造平屋階建て改修 63,36 m2

●施工 ○大工:(有)兼康建築
    ○左官:(株)松本工業
    ○板金:(株)中山板金工業所
    ○構造材:(株)スンエン     

●主な仕上げ
 ○内部

床:スギ厚30本実加工 土間:三和土の叩き
壁:漆喰仕上げ下地荒壁
天井:スギ化粧野地板厚12.0 漆喰仕上げ

…………………………………………………………………

●木工事費  約2,500,000円
●左官工事費  1,000,000円
 上記の内、木材コーディネーターによりコーディネートされた 構造材費  円 
●総工事費  約9,000, 000~10,000,000円
●設計監理料 1,000,000〜1,200,000円

住まい手感想

居間と食堂が北側にあったため、冬は寒くて夏は暑く、その上、春や秋も室内は暗くて、食事が終わると家族全員が、蜘蛛の巣を散らすようにいなくなり、自室に閉じこもってしまう状態でした。この改善のためにリフォームを計画しました。

要望として、冬暖かくて夏涼しく明るく風通しの良い居間と食堂と台所、土間と薪ストーブのある生活に憧れがあり、私が冷え性でエアコンにも強くなくて、できればエアコンの使用を最小限にする暮らしを望みました、

清水さんにお願いしたのは、土壁や土間のある住宅が得意だと聞いたからです。

提案されたプランは、予想外だったのでびっくりしましたが、今となっては納得です。

土間は本物だそうです。厚さ30㎜ある杉板の床は、足から伝わってくる感触はいいんですが、傷つきやすいのが気になります。

壁が土壁だからだそうですが、夏のヒヤッとした感覚は気持ちいいです。

キッチンに立てば、室内から外までを見渡せて安心感がありますが、コンロ脇の壁の漆喰は汚れが落ちにくくて残念。

全体的に、風通しもよく明るいので、今のところ満足です。

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清水建築工房 一級建築士事務所

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清水 國雄

〒436-0084 静岡県掛川市逆川473-1

Tel/fax 0537-27-0576

メール : info@shimizu-arc.jp

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